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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

自由をもたらす祈り

(2006年6月4日)

Aさんは、知り合いのBさんに、いろいろとひどいことをされたり言われたりして傷つき、たいそう腹を立てていました。私はしばらくAさんの愚痴を聞かせていただき、最後にこんなアドバイスをさせていただきました。

「『天のお父さま。Bさんをお赦しください。あの人は何をしているのか、分からないのです』。そう祈れたらいいね」。

この祈りは、イエスさまが十字架の上で、自分を十字架につけた人々(そこには私やあなたも含まれています)のために祈られた祈り、「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ23:34)をモデルにしたものです。イエスさまは、敵を赦し、愛し、祝福するようにおっしゃいました。その教えをご自分でも実践なさったのです。

最初Aさんは、「敵を赦しなさい」というイエスさまの命令とご自分の感情との間で葛藤しておられました。しかし、赦す力は命じたイエスさまがくださると励ましたところ、「Bさんを赦す気持ちにはなれないけれど、イエスさまの助けを信じて祈ってみる」とおっしゃいました。

そして、Aさんはお祈りなさいました。「父よ、Bさんをお赦しください。何をしているのか分からないのです」。すると、ずっとAさんの心の内にあった苦みがスーッと消えていき、代わりに、不思議な平安と喜びがわき上がってきました。

祈る直前、イエスさまがAさんの心に語りかけ、教えてくださったそうです。「父よ、彼らを赦したまえ」という祈りは、相手のためだけでなく、あなた自身のための祈りでもあるのだよ、と。

すなわち、Bさんはいろいろと意地悪をして、Aさんのことを引っかき回そうとしているのかもしれない。しかし、Aさんがそれに乗って、引っかき回される必要はありません。「父よ、彼らを……」という祈りは、「相手はどうであれ、自分はそれに引っかき回されず、神さまにある自由と平安を生きよう」という、自分を自由へと導くための祈りでもあるのです。そして、その信仰の祈りの通りに自由が与えられ、怒りの代わりに平安と喜びがもたらされました。

イエスさまは、赦せない人がいるあなたにも自由を与えてくださいます。それを信じて赦しの祈りを捧げましょう。

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