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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

泊まってよ

(2011年12月25日)

教会学校に、小学校2年生の知恵遅れの男の子が来ていました。名前を聖也君ということにしておきましょう。

今年は、子どもも大人も一緒にクリスマス会を行なうことになり、教会学校の子どもたちは、降誕劇を披露することになりました。もちろん、聖也君も出演します。あまり難しいせりふは覚えられませんので、宿屋の主人Aの役をもらいました。

ヨセフとマリヤがベツレヘムにやってきたとき、宿泊を断った人です。せりふはたった一つ。「部屋は一杯だよ。泊める部屋はないよ」だけ。それでも聖也君はなかなか覚えられなかったのですが、教会でも家でも一生懸命練習しました。

さて、本番です。舞台は進展し、いよいよ聖也君の出番であるベツレヘムの場面です。みんな、聖也君がうまくせりふを言えるかどうか、どきどきしながら見つめています。

長旅で疲れ切ったヨセフとマリヤが舞台上手からやってきます。宿屋の主人Aが下手から登場します。ヨセフが言います。「ごめんください。泊めてください。妻はもうすぐ赤ちゃんが産まれそうなんです」。宿屋の主人Aは言います。「部屋は一杯だよ。泊める部屋はないよ」。言えた! がっかりした様子で上手に退場するヨセフとマリヤ。大成功です。みんな、心の中でほっと胸をなで下ろしました。

ところが、去りゆく二人をじっと見つめていた聖也君は、突然ポロポロと大粒の涙を流し始めました。そして、二人の背中に向かってこう叫んだのです。

「マリヤさん、ヨセフさん。僕のおうちに来てよ。僕んちに泊まってよ!」

劇はめちゃくちゃになりました。しかし、この日、人々は深い深い感動に包まれたのでした。

クリスマスは、あなたのところにイエス・キリストが来てくださった記念日。あなたは、イエスさまを聖也君のように心にお迎えなさいますか? それとも冷たく拒否なさいますか?

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