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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

初心とは?

(2013年1月20日)

前回のショートエッセイで、「初心忘るべからず」の話をしました。元々この言葉は、世阿弥(室町時代の能楽師)が著書「花鏡」の中で書いたものだそうです。

普通は「物事を始めたときの、フレッシュな気持ちを忘れないように」という意味で用いられます。この場合、「初心」とは、始めたときの「良い状態」のことを指していますね。

しかし、世阿弥がこの言葉で伝えたかったのは、実はそういう意味ではありません。世阿弥の言う「初心」とは、「物事を始めたばかりの頃は、何も分からず何も経験がなかったので、すべて上手にできなかった。その時の状態」のことを指します。

すなわち、「初心忘るべからず」とは、「慣れてきて、自信が少し出てきたときは、自分がまだできていなかった初めの頃を思い出しなさい。そうして、慢心に陥って、精進を怠ることがないように、自分を戒めなさい」という意味なのです。

神さまの祝福を私たちから遠ざけるのは、傲慢です。物事がうまくいっているときは、いつの間にか、神さまなしにも生きていけるような錯覚に陥ってしまいます。「心の貧しい者は幸いです」とイエスさまがおっしゃったように、謙遜に自分の弱さを認め、イエスさまにより頼んでいきたい。世阿弥の話を聞いて、そんなことを思いました。

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