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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

台所のキリスト

(2013年10月13日)

仲が悪い夫婦がいました。妻は、近所に住む友人の誘いで教会に行くようになりました。そして、教会の静かな雰囲気や、教会員の優しさに触れ、すっかり教会が気に入りました。教会の建物の中にいる間は、むしゃくしゃした気分から解放されるのでした。

しかし、家庭での生活は相変わらずでした。妻は夫に対して、がみがみと小言とグチばかりぶつけていたのです。ある日、妻はこんなことを口にしました。「あんたのような男こそ、教会に行って、牧師さんの話を聞いて、悔い改めるべきよ!」

もちろん、夫は妻がそう言いたくなるようなことをしていました。しかし、こんなことを言われて面白いはずがありません。日曜日になると、夫は毎週のように釣りやゴルフに出かけるようになりました。もちろん教会の礼拝に出かける妻への当てつけです。そういうわけで、ますます二人の仲は険悪なものになっていき、離婚するのも時間の問題という状態になってしまいました。

ある日、教会で伝道集会が開かれました。説教者は、単純明快にキリストの十字架のメッセージを語りました。そして、「悔い改めて、罪の赦しを信じなさい。そして、キリストを主とし、心の王座に座っていただきなさい」。説教者はそう結びました。

妻は、ハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けました。今まで、自分は夫を責めるばかりで、夫こそ悔い改めなければならないと思っていた。そして、自分のことは、正しい人間だと思っていた。しかし、夫がではなく、まず自分自身が悔い改めなければならなかったのだ。まず自分こそがキリストの赦しをいただかなければならなかったのだ……。妻は、その日、イエス・キリストを救い主として受け入れました。心いっぱいに、神さまの愛が満ちあふれてきました。喜びと平安が心を支配していきました。

その日を境に、妻の態度は一変しました。不平やグチの代わりに感謝が、小言の代わりにねぎらいの言葉が、彼女の口から流れ出てきます。いつもしわの寄っていた眉間が広がり、いつも笑顔がこぼれるようになりました。そして、台所仕事をするときには、いつも賛美歌を口ずさんでいます。

すると、やがて夫も教会に出席するようになり、間もなくイエス・キリストを受け入れてクリスチャンとなりました。洗礼準備会のとき、夫は牧師に語りました。「私が救われたのは、先生の説教はもちろん、我が家の台所で、イエスさまが輝いた顔をして、いつも歩いていたからです」。

そうです。あの人が祝福されるための鍵は、あなたが握っています。

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