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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

心を合わせて祈るとき

(2014年4月27日)

中通りコミュニティ・チャーチのメンバーであるAさんは、仕事の都合で、持ち家をしばらく使っていらっしゃいませんでした。すると、あるお年寄り夫婦が急に借家を出なければならなくなったため、一時的でいいから住める場所を探しているという話を聞きました。親切なAさんと奥さまは、その老夫婦がAさんの亡くなったおばあさまと知り合いだったということもあり、自分たちが戻ってくるまでの1年半の間、家を管理してもらう代わりに家賃なしで家を貸すことにしたのでした。

ところが、この老夫婦は、あちこちからゴミを敷地に集めてくるようになりました。それらをバラして、金属などはリサイクル業者に売っているようですが、売れない部分やバラしたときの破片、そしてまだバラしていないゴミなどが、敷地を埋め尽くすようになりました。

びっくりして、片付けるよう何度もお願いしましたが、片付くどころか週ごとにゴミが増えていきます。このままだと我が家が粗大ゴミ集積場のようになってしまうと考えたAさん夫妻は、ついに出て行って欲しいと申し入れました。ところが、片付けるためのお金がないし、荷物(Aさん夫妻にとってはゴミ)を置いておく場所も見つからないから出て行けないという返答です。老夫婦にはお子さんがいますが、生活保護受給者なのでどうすることもできないとのこと。

Aさんは弁護士にも相談しましたが、Aさんがゴミの処分費用(業者に見積もってもらったら、200万円近くかかるとのことでした)だけでなく、引っ越し先をさがし、そこの敷金礼金も用意しなければならないとのことでした。親切心から家を無償で貸したあげく、管理してもらえるどころかゴミでいっぱいにされ、莫大な経済的負担まで背負わなければならないとは理不尽きわまりない話ですが、法的にはそうだというのです。前回のショートエッセイで、借家の借り手に与えられている法的な権利についてお話ししましたね。私たちの場合には、法律によって守られたわけですが、今回は逆の立場です。

ゴミ処分の見積もりに来てくれた業者によると、この老夫婦はこれまでもあちこちで同様のトラブルを起こしてきたようなのです。そして、家を貸してしまった親切な人たちは、役場や警察や弁護士などにも相談しましたが、結局自腹を切って出ていってもらったり、ゴミの山を残したまま出て行ってもらったりして、泣き寝入りするしかなかったとか。

しかし、Aさん夫妻には希望が残されていました。イエスさまは、「まことに、あなたがたにもう一度、告げます。もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます」(マタイ18:19)と約束なさいました。そこで、中通りコミュニティ・チャーチでは、Aさんご夫妻のために礼拝式で祈り、さらに全員で1週間の連続祈祷を行ないました。

すると、確かに神さまが働いてくださいました。その週の土曜日にAさんご夫妻が実家に行ってみると、ゴミがきれいに片付いていて、老夫婦はどこかに退去していたのです。まさに、「人にはできないことが、神にはできるのです」(ルカ18:27)と書かれている通りです。

Aさん夫妻と私たちは引き続き祈っています。Aさん夫妻は助かりましたが、次の犠牲者が出ないように。そして、あの老夫婦の生き方そのものが変えられるようにと。

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