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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

指揮者って必要なの?

(2017年3月5日)

オーケストラには指揮者がつきものですが、そもそも指揮者ってどうして必要なんでしょうか。中学校の部活動ならまだしも、プロのオケに在籍しているのは厳しい競争を勝ち抜いて入団した演奏家ばかりです。指揮者がいなくても上手に演奏できるのではないでしょうか。そんな疑問を抱く方が多いようで、あちこちの質問サイトで、そのような書き込みがなされています。

楽譜にはテンポ(早さ)や音量が指定されていますが、実際にどれくらいのテンポや音量で演奏するかは、ある程度演奏者に任されています。「音を伸ばす」と指示されている部分をどれだけ伸ばすか、「全休止」と指示されている部分をどれだけ休むか、ビブラートの部分をどれくらいの早さで揺らすかなども同様です。そして、それらがほんの少し変わるだけで、曲のイメージはガラッと変わってしまいます。そういう細かい部分を一つ一つ練習段階で確認し、修正し、曲を作り上げていくのは指揮者の大切な仕事です。

しかも、全員がプロの演奏家だからこそ、それぞれ「この曲のこの部分はこういうふうに演奏すべきだ」という自分なりの解釈を持っています。そして、それぞれ競争を勝ち抜いてきた人たちだけに、自分の解釈には絶対の自信を持っていて、そう簡単に他の人の解釈に合わせようとはしません。100人の演奏家がそれぞれ自分の解釈に基づいて好きなように演奏していたら、オーケストラ全体のまとまりが損なわれてしまいます。ですから、演奏家たちをまとめ上げる絶対的リーダーが必要なのですね。そのリーダーが指揮者です。もちろん、楽団員は指揮者を無視することもできますが、そんなことをすればせっかくの演奏が台無しになってしまいますから、みんな指揮者の指示に従います。

イスラエル史上、最も混乱した時代の一つが士師記の時代です。聖書は混乱の理由をこう説明しています。「そのころ、イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行っていた」(士師記21:25)。

私たちも、王の王であるイエスさま、人生の指揮者であるイエスさまの指示を聞いて、素直に従いましょう。それが人生で美しい音色を響かせるコツです。

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