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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

ふらつきながらだっていい

(2017年4月30日)

Aさんは、以前は萎縮気味で、いつもおどおどとしていましたが、最近ずいぶんと明るく積極的になってこられました。どのようにして変わられたのですかと尋ねると、昔テレビで見た女子マラソンの場面を思い出しているとおっしゃいました。

1984年のロサンゼルス・オリンピックの女子マラソンの試合。一位の選手がゴールしてから20分後、スイスのガブリエラ・アンデルセン選手が、ふらふらになりながらスタジアムに戻ってきました。脱水症状を起こしていたのです。それでもアンデルセン選手はゴールを目指して走り続けます。いや、走っているというよりも、ふらつきながら歩いて行きます。ふらふら、ふらふらと。そして、彼女がついにゴールした時、観客はスタンディング・オベーションで彼女を迎えました。

Aさんはおっしゃいました。「あの大会で1位だった選手のことはもう忘れてしまいました。しかし、何十年もたったのに、アンデルセン選手のことは忘れられない。しかも感動をもって思い出すのです」。

そして、Aさんは、アンデルセン選手のことを思い出しながら、自分を勇気づけるのです。「自分は自分に対していつもダメ出ししてきたけれど、ダメならダメでいいじゃないか。ダメなりに一生懸命生きよう。父なる神さま、イエスさま、聖霊さまは、スタンディング・オベーションで私を応援してくださっている。そして、ダメな自分が一生懸命に生きることで、かえって周りの人々に感動を与えることもできるんだ」と。

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