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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

お菓子持ってきてないの?

(2018年3月18日)

70代の方からこんな昔話を聞きました。その方、Aさんが子どもの頃、家がとても貧しくて、遠足にお菓子を持って行くなんて考えられなかったそうです。戦後間もなくの頃で、そういう子どもたちがクラスに何人もいた、それどころか、お弁当すら持ってこられない子どもがいた時代です。ところが、その日の遠足には、お母さんがお菓子を一つ持たせてくれたのです。A少年は喜びました。

お弁当の時間になりました。A少年は、一緒のグループになったBちゃんがお菓子を持ってきていないことに気づきました。A少年は、お菓子を見せびらかしました。「いいだろう。あれ? Bちゃんは、お菓子持ってきてないの?」 自信がないと、人は他人を引き下げることで、自分をことさら高く見せようとするものなのです。

しかし、Bちゃん、ちっとも悔しがらず、すましてこう言いました。「うん、だってうち、お菓子屋だもん」。A少年、お菓子を持っているとかいないとか、そういうことに振り回されていた自分が、なんだかバカバカしくなったそうです。

今何を持っているかいないか、何ができているかできていないか。それはあまり重要なことではないのかもしれません。なぜなら、私たちが「もし子どもであるなら、相続人でもあります。私たちがキリストと、栄光をともに受けるために苦難をともにしているなら、私たちは神の相続人であり、キリストとの共同相続人であります。今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようとしている栄光に比べれば、取るに足りないものと私は考えます」(ローマ8:17-18)と書かれているのですから。

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