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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

増田先生が召天

(2018年3月25日)

先日、弟が急死しました。連絡を受け、弟が牧師として活動していた岡山県に駆けつけました。すると、教会や教団の皆さんが、残された家族を気遣い、また葬儀のために奔走してくださっていました。未信者の父も、思わず「こんな温かい共同体は、教会以外、今の日本にはない」とつぶやくほどでした。本当に感謝します。

3日間の岡山滞在の間、何度も何度も聞かされたのが「増田先生が亡くなった」「増田先生が召天した」「増田先生の葬儀」「増田先生がいなくなって悲しい」……というような言葉です。弟は皆さんに愛されてきたんだなあと感激すると共に、福島の教会や結婚式場や学校で「増田先生」と呼ばれることが多い私は、だんだん妙な気分になってきました。まるで自分が死んで、その死を悼んでいただいているような気分です。

ヨーロッパの修道院で交わされていたあいさつは、ラテン語で「メメント・モリ」。すなわち、「自分が必ず死ぬことを忘れるな」という言葉だったそうです。弟は46歳の若さで召天しましたが、遅かれ早かれ私も死にます。そして、地上を離れなければなりません。今この瞬間死が訪れたとしても、あるいはあと50年生き延びるにしても、地上を去る時に「ああしておけば良かった」「こんなつまらないことに、無駄な時間をかけるんじゃなかった」と後悔するような生き方はしたくないですね。

「増田先生が召天した」という言葉を聞かされるたび、そんなことを強く思わされました。

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