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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

金のガチョウ

(2018年7月22日)

皆さんは、イソップ童話の「金のガチョウ」の話を、一度はお聞きになったことがあるでしょう。

ある農夫が飼っているガチョウが、金の卵を産むようになりました。このガチョウは、1日に1個の金の卵を産みます。そのおかげで農夫はたいそうなお金持ちになりました。

そのうち、この農夫はもっともっと儲けたいと思うようになりました。1日1個では物足りないというわけです。そしてこう考えました。きっと、このガチョウのおなかの中には、金の塊があるに違いない。そうして、農夫はガチョウのおなかを切り裂いてしまいました。

しかし、おなかの中には何もありません。そして、この愚かな行為のおかげで、金の卵を産むガチョウは死んでしまい、その後農夫は金の卵を手に入れることができなくなってしまいました……。そういうお話です。

この話は、よくビジネスの世界で引用されます。欲張り過ぎて一度に大きな利益を得ようとすると、その利益を生み出す資源まで失ってしまうことがあるから、欲をかかないようにという教訓です。

聖書が教える救いとは、私たちの罪が赦され、神さまとの親密な関係が回復されることであって、私たちの欲望がかなうことではありません。お金が儲かるとか、病気が治るとか、良縁に恵まれるとか……。もちろん、祈りの結果、経済的に祝福されたり、病気がいやされたりすることはあります。しかし、イエスさまの教えに忠実な人の中には、願いがほとんどかなえられないという方もおいでです。

人間の欲望には際限がありません。一つかなえられたら、もっともっとと願いがエスカレートしていきます。その結果、もっと大事なものを失ってしまうこともあります。家族や友人との信頼関係とか、本当の自尊心とか、神さまへの尊敬の念とか。

信仰生活が、自分の欲望が満足するかどうかという視点で回っていなかったかどうか、いつも振り返る必要がありますね。

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