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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

過去の過ちの克服

(2022年3月13日)

日本の新幹線は、世界の高速鉄道の中でも、その安全性と乗り心地で非常に人気です。その最初のモデルである0系の設計者が、クリスチャンだったというのはご存じでしょうか。三木忠直さんという方です(1909年〜2005年)。0系の設計の他、小田急ロマンスカー、湘南モノレール、千葉都市モノレールの車両設計にも、技術指導者や技術監修者として参加しています。

そして、もう一つ、三木さんが設計した有名な乗り物があります。「桜花」という飛行機です。これは、いわゆる特攻専用機で、ロケット砲に翼と操縦席を付けたような形をしています。攻撃機の下に吊り下げられて移動し、切り離された後にロケットの推進力で敵艦に突っ込んでいきます。着陸用の装置は一切付いていませんから、いったん母機から切り離されたら、パイロットは必ず死にます。

桜花の設計を命ぜられたとき、三木さんは「死ぬためだけの飛行機を作るなど、技術への冒涜です」と反発しますが、上官の命令に逆らうことなどできません。こうして、三木さんは死ぬためだけの飛行機の設計に携わることになります。

後に書かれた三木さんの手記には、「記憶をたどるだに胸は痛む」と記されています。桜花の設計に関わってしまったことについて、三木さんは激しく自分を責め続けました。しかし、どんなに自分を責めたところで、過去を変えることはできません。

戦後、すでにクリスチャンとなっていたお母さんに誘われて、三木さんは教会の門を叩きました。そして、聖書の一節に出会います。「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタイ11:28)。こうして三木さんはクリスチャンとなりました。

イエス・キリストがくださる罪の赦しは、過去を無かったことにすることではありません。罪責感から解放され、過去の過ちを新しい生き方に生かすことができるようにすることです。イエスさまを信じ、罪の赦しを受け取った三木さんも、これからは平和のために技術を使おうと硬く心に誓いました。そして、あのすばらしい乗り物たちを世に送り出していったのです。

イエスさまは、あなたにも新しい人生を与えてくださいます。

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