本来の姿

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(2013.2.17)

ルイーズさんは、まだ二十歳前の若い女性でした。ところが、病院の検診で卵巣ガンが発見され、しかも肺やその他の内臓にも転移していました。医者は言いました。「お気の毒ですが、末期のガンです。もう手術はできません。余命は半年。化学療法を行なえば、もう少し命を長らえることができるかもしれませんが、それでももってあと一年です……」。

ルイーズさんは、残された日々を、神さまと共に、人々のために用いようと決意しました。そして、家族の元を離れてアパート住まいを始め、こんな新聞広告を出します。「もしガンの方で、私を必要とする人がいらっしゃったら、お役に立ちたいと思っています」。ルイーズさんは、ガンのために恐れている人を励ましたり、動くのがきついのに頼る人がいない人のために買い物に行ってあげたり、毎日忙しく働き始めました。

医者は怒りました。安静が必要なのに、ルイーズさんが忙しく動き回るからです。ついに医者は、自分の指示を守らないこの不良患者の治療をやめてしまいました。それでも、ルイーズさんは他の人のために働くことをやめませんでした。

半年後、ルイーズさんは久しぶりに医者の元を訪れました。医者は、様々な検査を行ないました。そして、その結果を無言で診断書に書き込みました。その診断書にはこう書かれていました。「あなたのガンは消えています」。手渡す医者の目には、涙があふれていました。

神さまは人間を「愛し愛される存在」としてお造りになりました。私たちが他の人を愛する姿こそが、最も人間らしい姿です。ルイーズさんの場合は、本来の姿を見失った細胞であるガン細胞でさえも、本来の姿を取り戻したのかもしれません。

もちろん、すべての末期ガン患者が、ルイーズさんのようにすればいやされると申し上げるつもりはありません。しかし、ガン患者であろうとなかろうと、他の人のために喜んで仕える者になりたいものです。それが私たち本来の姿なのだから。

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