愛は勝つ

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(2013.6.30)

ある看護師さんの証しを聞きました。

この方(仮に広美さんということにしておきましょう)は、一生懸命に仕事に打ち込まれ、気づいたら独身のまま30才の誕生日をお迎えになっていました。このまま仕事仕事の人生も寂しいなあと思うようになりましたが、やっぱり仕事が忙しく、なかなか思うような出会いがありません。

そんな時、他の科から若い看護師さんが転属して来ました。「あっちの科でも嫌われてたらしいわよ」という同僚の言葉通り、この若い看護師さんは、ことあるごとに広美さんの疳に障るようなことを言うのです。「どうして結婚しないの?」「結婚したくないの?」「恋人、いないの?」……。

そのたびに、広美さんはイライラ、ムカムカしていましたが、内向的な性格なので、それを相手にぶつけることもできないで、トイレで悔し涙を流すのでした。

そんな折り、不思議な導きで、広美さんは教会に通うようになりました。そして、神さまは、今そのままの自分を愛し、宝物と呼んでくださっているということを知りました。結婚してもよし、しなくてもよし。何を持っていてもいなくても、何をしてもしなくても、神さまの愛は変わらないことを知りました。広美さんは、その神さまの愛を受け入れ、程なく洗礼を受けます。

すると、あの若い看護師さんの意地悪も、あまり気にならなくなりました。むしろ、いつものように「結婚は?」と言われた時、思わず心からこう返事してしまいました。「心配してくれて、ありがとう。うれしいわ」。相手は、一瞬面食らったようですが、すぐに体勢を立て直して、「あら、皮肉なのに」。それでも広美さんは、にっこり笑って言いました。「またまたー。あなたが言っても、ちっとも皮肉に聞こえないわよ。だって、あなたって優しいもの」。

若い看護師さんは、しばらく硬直していましたが、やがてぽろぽろと涙をこぼし始めました。「優しいなんて言われたの、生まれて初めて……」。今、彼女は広美さんと一緒に教会に通っています。

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