愛がないんだから

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(2013.12.29)

Aさんのお姑さんが寝たきりになってしまいました。Aさんは一生懸命に介護をなさいました。Aさんがたまらなかったのは、肉体的な苦労ではなく、お姑さんから一度たりとも「ありがとう」を言われたことがないということでした。お姑さんは、Aさんの苦労もまるで当たり前だと言わんばかりに、横柄に振る舞うのです。

精も根も尽き果てたAさんは、牧師の所に相談に来ました。親身になって話を聞いていた牧師は、最後にこう言いました。「Aさん。人間には本来、愛なんかないのですよ。本当の愛は、イエスさまだけがお持ちなのです」。

Aさんはそれを聞いて思いました。「そうか。お義母さんには愛がないんだから、お義母さんに愛されようとして、躍起にならなくてもいいんだ」。

さらにこうも思いました。「私にも愛がないんだから、まるで私の内に愛があふれていることを認めてもらおうとして、がんばる必要はないんだ。しなければならないことを、私なりに精一杯させていただけば、それでいいんだ。イエスさまがお義母さんや私を愛してくださっているんだから」。

そうしたら、ふっと気が楽になりました。

何日かして、Aさんは再び牧師の元を訪れました。「肩の力を抜いて、神さまに祈りながら義母に接するようになったら、この前初めて義母が『いつもありがとう』と言ってくれました。イエスさまのおかげですね」。

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