助演男優賞をもらえるようにがんばります

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(2015.2.8)

先日、NHKの「SWITCHインタビュー達人達」で、俳優の中井貴一さんが、やはり俳優である父、佐田啓二さんのエピソードを話しておられました。

1956年公開の映画「あなた買います」で、佐田さんはブルーリボン賞の主演男優賞を獲得なさいます。そして、受賞後のあいさつで、「次は助演男優賞を取れるようにがんばります」とおっしゃいました。帰宅後、奥さん(中井さんのお母さん)が「あの冗談は少し嫌みに聞こえる」と注意すると、佐田さんはこう答えたそうです。「君は分かっていない。主演男優賞は立っているだけでもらえる。すなわち、周りの人たちの助けによって取らせてもらえるけれど、助演男優賞は、本当に実力がなければ取れないんだ」。

映画を主役だけで作り上げることはできません。多くの共演者たち、エキストラの人たち、スタッフたちが協力し、それぞれがそれぞれの持ち場を忠実に、誠実に実行して、はじめて一本の名作が生まれます。中井さんも、「エキストラが自然な演技をしてくれるから、その前で主役が多少大げさな芝居をやってしまっても自然に見える」「江戸時代のキセルの持ち方はこうだというような、一見それが何の役に立つのかというようなことをいつも真剣に考えていてくれているスタッフがいるから、時代劇が成り立つ」と熱弁を振るっておられました。

現在、中通りコミュニティ・チャーチの礼拝ではサムエル記を連続して学んでいます。もちろん、物語の中心人物は預言者サムエルであり、後に王となるダビデです。しかし、私はダビデの友ヨナタンに強く心を惹かれます。出エジプト記を読んでも、モーセよりも義父イテロ、福音書では使徒ペテロよりもアンデレやピリポ、使徒行伝ではパウロよりもバルナバやアナニヤ(献品をごまかした方ではなく、パウロの目を開いた方の)といった人たちに、ついつい注目してしまいます。

彼らは、聖書物語の中で決して主役とは言えませんが、なくてならない渋い役どころを演じています。目立たないけれど、しかし神さまに委ねられた責任を忠実に果たそうとしました。そのおかげで、主役を通して神さまのみこころが地上に現わされています。

信仰生活、教会生活、あるいは職場や学校、クラブ活動などで、私たちは目立つ役どころを与えられてはいないかも知れません。しかし、今ここで神さまに委ねられている責任を、一生懸命、忠実に、誠実に実行させていただきたいですね。やがて天国に迎え入れられたとき、イエスさまから「助演男優賞」「助演女優賞」をいただくことができるよう、お互いがんばりましょう。

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