過剰反応

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(2016.2.7)

若いご夫婦がいらっしゃいます。二人は心から愛し合い、神と人との前で真摯に誓約して結婚しましたが、ご主人は、時々奥さんに対して、異常と思えるほどに「キレる」人でした。嵐が過ぎ去ると、ご主人はキレてしまったことを後悔し、一生懸命埋め合わせをしようとさえするのですが、また何かのきっかけで、キレてしまうのです。

その日も、トイレの電灯について「あなた、消し忘れてるわよ」と指摘しただけで、大声で怒鳴り、壁をばんばん叩き始めました。奥さんは、疲れ切ってしまいました。もうこんな生活は耐えられない……。しかし、その時、前の日に読んだ信仰書の一節を思い出しました。「もしも、誰かが何かに対して過度に反応するとしたら、そこに主のいやしを必要としているのです」。

思い直して、奥さんはご主人が少し落ち着くのを待って言いました。「もし、気に障ることを言ったのなら、ごめんなさい。でも、わたしはあなたを愛しているの」。そして、ご主人を優しく見つめながら言いました。「あなたを怒らせるようなこと、私言ったかしら?」 すると、ご主人は、絶望的な表情で答えました。「いや。ただ、責められているように聞こえたんだ。僕は、こうやって一生責め続けられる運命なんだって、そんな気になったんだ」。

二人は、ご主人が過去に責められたような気持ちになったときのことについて話し合うことにしました。どんどん過去にさかのぼって行くにつれ、ご主人は両親に一度もほめてもらったことがないと思っていることが分かりました。実際には、親はほめたのかもしれませんが、ご主人はそうは思っていないのです。むしろ、一挙手一投足に文句とつけられ、直され、注意を受けたと感じていました。特に、彼の父親は、気に入らないとすぐに子どもを叩く人だったようです。

結婚して、ようやく口うるさい親たちから解放されたと思ったら、妻にまで批判されて……。実際には、奥さんはご主人を責めているわけではありませんが、ちょっとでも自分の言動を直されると、今までのパターンで、批判だと取ってしまいます。だから彼はキレて、二十数年分の怒りを奥さんにぶつけていたのです。

ご主人は、奥さんとの話し合いの中で、奥さんが彼を責めているわけではないということを確認しました。そして、二人は、ご主人の小さいときからの心の傷のいやしを求めて祈りました。さらに、天のお父さまである神さまは、ご主人を決して責めないこと、むしろ、誇りに思ってくださり、どんな時も愛し続けてくださっているのだということを、確信させてくださるように祈りました。劇的な変化ではありませんでしたが、ご主人は、この日を境に少しずつ変えられていきました。

あなたは、どんなことに過剰反応しますか? そこに、イエスさまのいやしが用意されています。

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