自分の気持ちを知る

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伝える前に

私たちが、相手に何かを伝えようとするときには、いろいろな動機があります。単なる情報提供、愛情の表現などなど……。今回のポイントは、相手の言動によって何らかのストレスを感じたときです。

そんなとき、嫌な気分をそのまま相手に伝えてしまうと、相手を攻撃することになってしまい、反発や逃避を招いてしまいます。一時的に気分はすっきりするかもしれませんが、相手との関係は悪くなる一方で、根本的な解決にはなりません。かといって、何も言わずに我慢をしていると、ますますストレスがたまってしまい、いずれどこかでまとめて爆発するか(熟年離婚などというものは、その最大級のものですね)、怒りが自分の内側に向かって抑鬱状態になるかします。

攻撃はリクエスト」というコラムをお読みください。そこで、人があなたにに対して抱く悪感情は、実は「あなたの言動によって、ストレスを感じていますから、別の言動に改めてもらえませんか?」というメッセージなのだということをお話ししました。

これは、あなたにとっても真実です。すなわち、あなたが誰か(配偶者や恋人、子どもや友人など)に対して抱いた悪感情は、「ストレスを感じている」ということと「こんなふうに変って欲しい」というリクエストがあることを表しています。

ですから、相手の言動でストレスを感じたとき、すぐにそれをぶちまけないで、ちょっと立ち止まって、よくよく自分の心の声を聴いてあげましょう。内なる自分の声を傾聴し、共感するのです。

2つの質問

自分の心の声を聴きながら、自分に対して次の二つの質問をしてみましょう。

(1) 「相手にどんなふうに変わって欲しい?」

「相手に何をどんなふうに協力して欲しい?」「何て言って欲しい?」「どんなふうに行動を改めて欲しい?」など。

できるだけ、具体的な行動の形で答えを導き出しましょう。「行動の形」というのは、「〜しない」ではなく「〜する」という表現をするということです。たとえば、「バカにするな」ではなく、「価値を認めて」ということです。

もう一つ「具体的」というのも大切です。たとえば妻が夫に対して「ちゃんと愛して」と言ったとします。夫は「ちゃんと愛しているよ。バカなこと言うなよ」と、心外に思うかもしれません。「だって、浮気なんかしたことないし、滅多に酒飲んで遅くなることもないし、暴力も暴言も吐かないし、給料だってちゃんと入れてるだろう?」なんてね。でも、一人一人、愛の言語は違うのです。夫婦・恋人は、火星人と金星人とがくっついているようなものですから、懇切ていねいに説明しないと、こちらの願いは通じません。相手にどんなふうに行動されたり言われたりしたら、この奥さんは愛を感じるのでしょうか? たとえば「週に1時間でいいから、一緒に散歩して」とか、「毎日『愛してるよ』と言って」とか、「出勤するときに、抱きしめてキスして」とか……。とにかく、できるだけ具体的な行動が見つかるまで、細かく自分自身に尋ねましょう。

(2) 「それはなぜ?」

「そのままだとなぜいやなの?」「どうしてそんなに相手に変って欲しいの?」「相手のどんな言動によって、どんなふうに嫌な思いをしたの?」

「それはそうだよねえ」「そんなことされたら悲しくなるよねえ」「あんなこと言われたら、捨てられるんじゃないかと思って不安になるよね」などというふうに、よく共感しながら、自分の心の声に傾聴しましょう。

次回は、このような質問によって明らかになった自分の気持ちを、どういうふうに表現して、相手に伝えるかを書かせていただきます。


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