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「自分の気持ちを知る」というコラムで、人間関係でストレスを感じたとき、相手に何かを伝える前に、自分自身に2つの質問をするという話を書かせていただきました。その2つの質問とは、
(1) 相手にどんなふうに変わって欲しい?
(2) それはなぜ?(今のままだとなぜ困るのか)
でしたね。
伝えるときのポイントは、この2つの質問の答えを、できるだけ相手に分かるような表現で話すということです。私たち一人一人は、頭の中に持っている「脳内辞書」が違うので、同じ言葉を使っていても、全然違う意味づけをしていることがあります。ですから、言葉が通じなくなってしまうのです。
「どうして分からないのか」と相手を責めるのではなく、「どう表現したら伝わるのか」と考えてみましょう。
伝わる表現で大切なのは、責めたり、攻撃したり、バカにしたり、嫌みを言ったりしないということです。また、命令したり、強制したり、操作したりしないということです。操作というのは、表面上は強制していないようで、実は間接的に強制するようなやり方です。たとえば、泣いて相手の罪責感を刺激したり、暴力・暴言で相手の恐怖心や不安感を刺激したり、虎の威を借りたりするようなやり方です。
私たち人間には、自由の欲求や自尊心がありますから、そんなことをすれば、相手はとたんに心を閉ざし、逆ギレするか、逃げ出すかして、結果的にあなたの益にはなりません。
「どうしてそんなことするの?」「なんで〜しないの?」「〜しろ」「たまには〜してくださいよ」「ホントにあなたって妻思いの方ですこと」……これらはみんな、攻撃・強制です。相手は反発するでしょうし、仮に思い通りの行動を相手に取らせることができたとしても、二人の関係はそのたびごとに冷えていきます。このように、相手を責めたり攻撃したりして、相手を動かそうとするメッセージのことを、「あなたメッセージ」と呼びます。
相手にどんなふうに変わって欲しいかということと、その理由(今のままでは嫌だという理由)を自分ではっきりさせ、それを責めたり強制したりしない言い方で伝えるということは、ストレートに「お願いをする」ということです。「〜してもらえる?」「〜してくれるとうれしいな」「〜してもらえると助かるんだけど」というふうに。
すると相手は、「やだよ」と言えます。そうすると、かえって安心して「いいよ」とも言いやすくなるのです。人は、自分の自由が侵害されるのではないかと感じると、とたんに抵抗し始めます。逃げ道を確保するために、無理にでも「やだよ」と言いたくなってしまうのです。ですから、「やだよ」と安心して言えるところでは、安心して「いいよ」と相手のリクエストに応えられるのです。
こういうふうに、相手を責めないで、ストレートにリクエストをするようなメッセージを「わたしメッセージ」と呼びます。「あなたの言動」ではなく「私の気持ちや願い」に焦点が合っているからです。
それにしても、相手がこちらにストレスを与えたのだから、そのストレスを取り除くように相手が言動を改めるのは当然だと思います。それなのに、こちらが相手に説明をして、頭を下げてお願いをするというのには、抵抗を感じる方もおいでかもしれません。
しかし、私たちは、命令されるよりも、お願いされる方が好きです。「〜されると嫌だ」と言われるより、「〜されるとうれしい」と言われる方が好きです。相手のためではなく、あなた自身の幸せのために、わたしメッセージを心がけましょう。
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