過越の小羊イエス

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出エジプト記12章1〜14節

(2015.12.6)

参考資料

12節の「初子」とは、母親が最初に産んだ子のことです。人間の子にも、家畜の子にも用います。

14節の「主への祭り」は、「過越の祭り」として現在もユダヤ人によって祝われています。

聖書からのメッセージ

イントロ

聖書によると、キリストは2回この地上に来られます(それぞれ、初臨・再臨と呼ばれています)。再臨は将来の出来事ですが、初臨は約2千年前に起こりました。これがクリスマスです。

再臨の際、キリストは悪を滅ぼし、愛と正義によって地上を治める王として来られますが、初臨の時には、別の目的で来られました。今回の箇所は、初臨の目的を表しています。すなわち、イエス・キリストは、「過越の小羊」として来られたということです。

1.過越の小羊と十字架のイエス

神からの救いの手

今回の出来事は、紀元前15世紀の半ば頃(早期説による)、あるいは紀元前13世紀初め頃(後期説による)に起こりました。この頃、イスラエル民族(ユダヤ人)は、エジプトで奴隷状態に置かれ、苦しめられていました。民が神さまに祈ると、神さまはモーセをリーダーとして選び、民を解放するようパロ(ファラオ。エジプト王の称号)に交渉させました。ところがパロはそれを認めようとしません。

そこで、神さまはエジプトに10の災いを下されました。今回の箇所は、その10番目の災いです。その災いとは、「その夜、わたしはエジプトの地を巡り、人をはじめ、家畜に至るまで、エジプトの地のすべての初子を打ち、また、エジプトのすべての神々にさばきを下」すというものです(12節)。この災いの結果、ついにかたくななパロも、イスラエルを去らせることを了承することになります。

しかし、イスラエル人もエジプトに住んでいたのですから、このままではイスラエルの初子も死んでしまいます。そこで、神さまは、イスラエルに逃れの道を用意してくださいました。それが、小羊の血を家の入り口に塗るという方法でした。

エジプト全土に災いをもたらそうとしておられる神さまは、入り口の小羊の血をご覧になると、その家には何もしないで「通り過ぎて」行かれます。すなわち、その家に災いが下ることはありません。そこで、この出来事を記念して行なわれる祭りのことを、過越の祭りと呼ぶようになりました。

イエスの十字架と過越

さて、イエスさまは、3年半の公の働きの後、ユダヤ人の指導者たちによって捕らえられ、ローマ人の手に渡されて、十字架刑で殺されました。この日は、イスラエルが代々行なうよう命ぜられていた、過越の祭りの日でした。

マルコの福音書によると、イエスさまは午前9時に十字架につけられました(マルコ15:25)。この当時、神殿で過越の小羊が殺されるのは、午前9時です。十字架につけられたイエスさまは、完全な過越の小羊として血を流されたのです。

実際、新約聖書は、初臨のイエスさまのことを過越の小羊にたとえています。

「あなたがたの高慢は、よくないことです。あなたがたは、ほんのわずかのパン種が、粉のかたまり全体をふくらませることを知らないのですか。新しい粉のかたまりのままでいるために、古いパン種を取り除きなさい。あなたがたはパン種のないものだからです。私たちの過越の小羊キリストが、すでにほふられたからです。ですから、私たちは、古いパン種を用いたり、悪意と不正のパン種を用いたりしないで、パン種の入らない、純粋で真実なパンで、祭りをしようではありませんか」(第1コリント5:6-8)

エジプトで門柱とかもいに塗られた小羊の血は、イスラエルの初子の命を救いました。本来であればイスラエル人も含めて、すべてのエジプトに住む人や家畜の初子が死ななければならなかったはずです。しかし、小羊が身代わりとして血を流し、命を差し出してくれたため、イスラエルの初子が死の代わりに命を得たのです。

本来は死をもってさばかれるべき人の身代わりとして死に、命を得させる。それが過越の小羊です。

イエスさまもまた、過越の小羊として血を流し、命を差し出されました。それは、私たちに永遠のいのちを与えるためです。

「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである」(ヨハネ3:16-17)

では、過越の小羊イエスさまが私たちに与えてくださった永遠のいのちとは、いったい何でしょうか。

2.永遠のいのちを生きる

罪と罰からの解放

永遠のいのちを理解するためには、人は生まれながらにして、神さまに対して罪人だということを理解する必要があります。聖書は、人は、みんな罪人だと言います。みんな、神さまを無視し、自分勝手に生きてきました。その結果、神さまを傷つけたばかりか、自分や他の人や自然を粗末にしてきました。

私たちは、自分自身の不完全で、いい加減で、悪いと分かっている方に流れて行ってしまうしつこい性質について、これまで何度も何度も嘆いてきたのではないでしょうか。「ああ、またあんな余計なことを言って、人を傷つけてしまった」「ああ、またいつものダメな行ないが出てしまった」「ああ、また自分を守るために嘘をついてしまった」……。

しかし、どんなに過去の失敗を後悔して、もう二度とやるもんかと決意しても、またやらかしてしまいます。

本来であれば、こんな罪人の私は、罰として神さまから切り捨てられ、永遠の苦しみを刈り取らなければなりません。

しかし、完全な過越の小羊として来られたイエスさまが、十字架で血を流し、命を差し出してくださったため、私やあなたの罪は赦され、滅びの代わりに永遠のいのちが与えられました。しかも、ただ与えられると信じるだけで、与えられるのです。その代わりに何か良い行ないをするとか、厳しい修行をするとか、多額の献金をするとかいう交換条件は何もありません。

あなたは、勝手に「自分はまだ不十分だから、救われていないのではないか」「あのクリスチャンたちに比べて、自分はまだまだ罪深く、いい加減だから、自分は救われていないんじゃないか」などと、勝手に条件を付け加えて、落ち込んだり、罪責感に苛まれたりしてきませんでしたか? 信じるだけであなたは罪とその罰から救われます。

永遠のいのちとは

神さまがくださる永遠のいのちとは、ただ長く生きるということではありません。聖書は、人の魂は消滅することなく永遠に存在し続けると教えています。下世話な言い方をすると、地獄に落とされた人だって、そこで永遠に存在し続けます。すなわち、永遠に苦しみ続けるということです。

問題は長さではなく、質です。いずれにしても永遠に存在し続けるわけですが、どんな状態で永遠という時を過ごすのかということです。

ヨハネ17:3で、イエスさまが永遠のいのちについて、こんなふうに説明しておられます。「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです」。すなわち、神さまとの平和でぬくもりに満ちた、親しい交わりのことだと。

永遠のいのちが与えられたとき、神さまとの親しい交わりが回復しました。それどころか、聖霊なる神さまが私たちの内に住んでくださり、私たちを日々きよい者、本当の意味で強い者、優しい者に造り変えてくださいます。

永遠のいのちを受け取った者として

イエスさまの直弟子の一人、ペテロがこんなことを書いています。「ご承知のように、あなたがたが父祖伝来のむなしい生き方から贖い出されたのは、銀や金のような朽ちる物にはよらず、傷もなく汚れもない小羊のようなキリストの、尊い血によったのです」(第1ペテロ1:18-19)

そして、ペテロは、だからあなた方は生活のあらゆる面において、きよさを目指しなさいと勧めています。「従順な子どもとなり、以前あなたがたが無知であったときのさまざまな欲望に従わず、あなたがたを召してくださった聖なる方にならって、あなたがた自身も、あらゆる行いにおいて聖なるものとされなさい」(第1ペテロ1:14-15)

先週学んだように、アダムとエバは、自分がこうしたいという思いの方を、神さまがして欲しいと願っておられることより優先させて、食べてはならない木の実を食べてしまいました。これが罪の始まりでしたね。

あなたがイエス・キリストによる罪の赦しを信じたのであれば、あなたの内に、すでに永遠のいのちが与えられています。聖霊なる神さまによるきよめのわざは始まっています。ですから、ペテロの勧めに従って、自分の願いよりも、神さまのみこころの方を優先させましょう。

もちろん、私たちは神さまの子どもとして、神さまに何でも願うことができます。その点で遠慮なんかしたら、むしろ神さまは寂しい思いをなさるでしょう。しかし、もしも神さまがあなたの願いに反して、こうだよとみこころを示したなら、たとえ残念でも、悔しくても、泣いても、それでも最終的にみこころの方を選ぼうという、そんな告白をしましょう。私が神さまのご計画の外で生きるのではなく、私の人生が、神さまのご計画の一部となりますようにと、そんな祈りをしましょう。

まとめ

あなたの罪は、過越の小羊イエスさまの血によって完全に赦され、神さまとの関係は回復しました。それを信じ、感謝しながら、神さまに喜ばれる生き方を求めていきましょう。

あなた自身への適用のためのディスカッションガイド


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