平安を与える計画

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創世記37章1〜36節

(2016.6.19)

参考資料

10節で、ヤコブがヨセフに「おまえの母上」と言っていますが、ヨセフの母ラケルは、十二男ベニヤミンを産んですぐに死んでいます(35:16-20)。ここでは、義母レアのことを指すのでしょう。ちなみに、父イサクはヤコブとの再会を果たした後に死にました(35:29)。母リベカは登場しませんので、ヤコブとの再会前に死んだと思われます。

13節のシェケムは、かつてディナ事件が起こった場所です。

25節のギルアデは、ヨルダン川の東にある山地です。イシュマエル人はアブラハムとハガルの子から出た民族で、ミデヤン人はアブラハムとケトラの子から出た別の民族ですが、ここでは同じ人々を指しています(士師8:25も)。両者が一緒に通商隊を組んで行動していたのかもしれません。あるいは、イシュマエル人というのは、ここでは「通商隊の人々」という意味で用いられている言葉なのかも知れません。

通商隊が運んでいた樹膠、乳香、没薬は、いずれも樹脂から作られる香料で、貴重品でした。

聖書からのメッセージ

イントロ

ここから、物語はヨセフを中心に回り始めます。ヨセフが経験した受難から、私たちへの教訓と励ましをいただきましょう。

1.ヨセフの受難

ヤコブの偏愛

ヤコブには12人の息子がいます。レアが産んだのがルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン。ラケルが産んだのがヨセフとベニヤミン、ラケルの女奴隷ビルハが産んだのがダンとナフタリ、レアの女奴隷ジルパが産んだのがガドとアシェルでした。

この中でヤコブが最も愛したのは、亡くなった最愛の妻ラケルが産んだヨセフでした。しかも、あからさまに他の兄弟たちよりもヨセフのことを大切にしました。こういうところは、ヤコブの両親であるイサクとリベカによく似ています。

当然、10人の兄たちは面白くありません(弟ベニヤミンはまだ幼くて、そういった感情はなかったでしょうし、同じラケルの子ですから、彼もヤコブに大切にされていたでしょう)。

また、ヨセフも、兄たちの不正(具体的には分かりませんが)を見つけると、いちいち父に言いつけていましたので、ますます兄たちはヨセフを憎みました。

ヨセフの見た夢

さらに兄たちの感情を逆なでする出来事が起こります。ヨセフが、自分の見た夢を兄たちに話してしまったことです。

1回目の夢は、兄弟たちの麦の束がヨセフの麦の束にお辞儀をしたというものです。その意味は明白です。ヨセフが兄たちよりも圧倒的に偉くなるということです。

2回目の夢は、太陽と月と11の星がヨセフを伏し拝んだというものです。太陽と月は両親を、11の星は兄弟たちを表していることが明白です。これには、さすがのヤコブもヨセフを注意しました。ヨセフが兄たちに憎まれていることに気づき、心配したからでしょう。

しかし、もちろん兄たちはますますヨセフに対する憎しみを増大させてしまいました。そして、それは殺意にまで膨らんでしまいます。

兄たちの陰謀

この時のヨセフは17歳です。若いとはいえ、あまりにも配慮が足りませんでしたね。正直なのはいいことですが、馬鹿正直なのは問題です。ついにヨセフはその報いを受けることになりました。

兄たちがシェケムの近くで羊を飼っていたとき、ヤコブは彼らを心配してヨセフに様子を見に行かせました。シェケムはかつてディナ事件が起こり、シメオンとレビが大虐殺を行なった場所ですから、近隣の町に住むカナン人から復讐されはしないかと思ったのでしょう。

兄たちは、これ幸いとヨセフを捕らえ、殺そうとします。しかし、長男のルベンは、直接手を下してはならないと主張して、穴に投げ込むことを提案します。水のない穴に閉じ込めておけば、そのうち飢え渇いて死んでしまうから、というわけです。ただし、本心は、後でこっそりと助け出すつもりでした。

ルベンは、かつて父の側室である女奴隷ビルハと姦通するという罪を犯していました(35:22)。ヤコブは彼を罰しませんでしたが、関係は悪くなったことでしょう。ルベンは、ヨセフを救い出せば、ヤコブとの関係を修復できると考えたのかもしれません。

ところが、ルベンがその場を離れていた隙に、兄弟たちはヨセフを通商隊に売り飛ばしてしまいました。こうして、ヨセフはエジプトに連れて行かれ、パロ(エジプト王)の侍従長であるポティファルの奴隷となりました。

2.私たちへの教訓

当然の配慮は必要

ヨセフは大変な目に遭いました。もちろんそれは兄たちが犯した罪のせいです。しかし、同時にそれはヨセフ自身が招いたことでもあります。彼は正直でしたが、配慮に欠けていました。

いくら幻を見たからといっても、これを話せば兄たちが傷つき、自分を憎むようになるということは、17歳にもなれば十分想像できるはずです。

もちろん、相手がどう感じるかにかかわらず、語らなければならないこともあります。旧約時代の預言者たちや新約時代の使徒たちは、それを語れば馬鹿にされたり、迫害されたりするということが分かっていても、まことの神ヤハウェが語れとおっしゃった内容を語りました。

しかし、ヨセフが見た幻については、兄たちに語れとヤハウェに命ぜられたものではありません。ヨセフは知恵と愛情を働かせて、これは兄たちには黙っておくのが賢く、また親切なやり方だと判断すべきでした。

私の好きな箴言の言葉があります。「朝早くから、大声で友人を祝福すると、かえってのろいとみなされる」(箴言27:14)。のろいの言葉を掛けられるより、祝福の言葉を掛けられる方がずっといいですね。しかし、時間帯や声のボリュームに配慮しないと、友だちはかえって迷惑をしてしまいます。

たとえば、伝道はどうしてもしなければならない愛のわざです。たとえ馬鹿にされても、迫害されたとしても、やめることはできません。しかし、「私は救いを受け入れた賢い人間で、あなたはまだ救いを受け入れていない愚かで罪深い存在」という態度で伝えるなら、本来なら招かなくてもいい余計な反発を招いてしまうことでしょう。それは賢い態度とは言えません。

イエスさまが弟子たちを伝道に使わす際、こんな注意をなさいました。「いいですか。わたしが、あなたがたを遣わすのは、狼の中に羊を送り出すようなものです。ですから、蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい」(マタイ10:16)

イエスさまが、相手に何を思われてもストレートに語れと願っておられること、行なえと命じておられることについては、恐れず大胆に語り、行動しましょう。しかし、そうでないことに関しては、TPOや人の気持ちに配慮して、行動や発言を判断しましょう。

そして、私たちがそれを正しく判断できるために、聖霊なる神さまが鳩の素直さと蛇の賢さを与えてくださるよう祈りましょう。

3.私たちへの励まし

神は見放さない

自分自身の配慮のなさと、兄たちの罪により、ヨセフはひどい目に遭い、外国人の奴隷になってしまいました。しかし、その背後にヤハウェの遠大な計画があります。

かつてヤハウェは、曾祖父アブラハムと契約を結ばれました。その中には、こんな預言が含まれています。

「そこで、アブラムに仰せがあった。『あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる』」(15:13-14)

次回学びますが、ヤコブの息子たちは、土地のカナン人と自由に交流し、その中から妻を迎えるようになります。このままでは、カナン人たちの霊的・道徳的悪影響を受けてしまいますし、実際そうなりつつありました。ヤハウェは、イスラエルの人々を異教徒たちから隔離し、400年かけて彼らの信仰をしっかりと訓練しようとお考えになりました。それがこの預言です。

ヨセフがエジプトに売られたのは、この預言が成就するためのその先駆けでした。13年後、ヤコブ一家はヨセフの招きにより、全員エジプトに移住することになります。

私たちも失敗し、罪を犯してしまいます。他の人たちから攻撃されたり邪魔をされたりすることもあります。しかし、全知全能であるヤハウェは、私たち自身の罪や失敗、他の人からの攻撃や邪魔でさえも、ご自身のご計画のために用いてくださいます。そして、ヤハウェはあなたを愛しておられ、あなたのためにならない計画はお立てになりません。

「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──【主】の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ」(エレミヤ29:11)

イエスさまは、あなたを救い、神の子とするために十字架にかかり、復活してくださいました。それが、あなたがヤハウェが立てた平安の計画に組み込まれている証拠です。

今、左の手のひらを自分の胸の上に置きましょう。そして、右手の人差し指をエレミヤ29:11に置き、自分自身に向かってその言葉を語りかけましょう。

まとめ

素直さと共に賢さを求めましょう。しかし、たとえこの点で失敗しても、ヤハウェはあなたへの平安の計画を実現してくださいます。

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