より良きものを

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(2008.9.28)

所はニューヨーク。地下鉄をエサ場にしていたスリがおりました。この日は「まあゆっくりやろう」ってなもんで、「仕事」もしないで、電車の中で新聞なんぞを広げております。と、何やら懐を触る気配。そこはプロで、すぐにスリと分かり、その腕をぎゅっとつかんで振り返りますと、何とうら若き女。

世の中分かんないもので、この二人、これが縁で結婚してしまいます。そして、やがて玉のような男の子が生まれました。

ところが、この赤ちゃん、右手をぎゅっと握ったまま、2人がどんなに頑張っても開こうとしません。「これじゃあ、スリができやしねえ」。困った二人は、病院へ息子を連れていきます。

レントゲン写真を眺めていた医者は、「ふーむ」とうなると、いきなりポケットの中から金時計を取り出して、赤ちゃんの目の前でぷらぷらさせました。すると、赤ちゃんは、それまで固く握っていた右手をパアッと開いて、それをつかもうとしました。

と、コロコロと何かが転がり落ちました。見ると、安物の指輪でした。それは、赤ちゃんが生まれた時、助産婦さんの指からすったものだったのです!

神さまからの祝福が欲しいですか? ほんとに欲しいですか? では、それを受け取る前にしなければならないことがあります。その祝福を思い描くこと。そして、次に、しっかりと握りしめているものを手放すこと。

神さまの祝福が届くのをじゃましている「安物」……握りしめてはいませんか?

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