あなたの美しい音色

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(2009.3.29)

人里離れた一軒家に老齢の旅人が訪ねてきました。「旅の途中ですっかり日が暮れてしまいました。申し訳ありませんが、一晩お泊め願えないでしょうか」。家の主人は答えました。「うちは子どもが多く、家にはお泊めできるような部屋も無いが、納屋でよろしかったらお泊まりなさい」。そして、干し草で即席の、しかし心のこもったベッドを作ると、「明日はご一緒に朝食を」と言い残して母屋に戻りました。

次の日の朝。その家の子どもたちは、豊かで穏やかな気持ちでベッドを出ました。いつもはお母さんの鍋底を叩く音が目覚まし代わりだったのが、今朝は美しい音楽で目を覚ましたからです。皆が外に出てみると、音は納屋から聞こえてきます。中を覗くと、昨夜の旅人がハープを弾いていました。そのハープは、この家の亡くなったおじいさんが昔々に買ったもので、いつしか壊れてしまい、そのうち捨てようと納屋に入れられて、そのことすら忘れられていたものでした。

「不思議なことがあるもんです」と旅人は言いました。「私はハープ職人で、こいつは私が若い頃に作ったハープなのです。ほら、ここに私の銘が掘ってあります。私はこいつを完成させた日のことを、昨日のことのように思い出すことができます。まるで独立して家を出て行った息子に再会したような気持ちですわい。そこで、一晩かけて穴をふさぎ、糸を張り替え、きれいに磨きをかけて、皆さんが起きなさる頃になって弾いてみたというわけです」。

それを作った職人の手に掛かるなら、たとえ壊れた楽器であっても、その美しい音色を取り戻すことができます。神さまは人をお造りになった職人。あなたが、あなたならではの音色を取り戻すことができるのは、あなたの神、イエス・キリストの手にご自分の人生を委ねたときです。今日、それをお始めになりませんか?

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