屋根裏に住む神

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(2010.5.2)

ある青年医師が、町一番の金持ちの娘と結婚しました。彼には年老いた母親がいました。彼女は、早くに夫を亡くし、貧乏の中で苦労して彼を育て、その上医大に息子を送り出してくれました。しかし、田舎暮らしで学もなく、苦労のためにすっかり老けこんだ母を、この息子は恥じて、ついに花嫁に紹介しませんでした。母はもうこの世にはないと言って。

が、新妻との生活が、明るく楽しく豊かなものであればあるほど、彼は心苦しくなっていきました。苦労して自分を育ててくれた母親を田舎に残し、自分一人だけが幸せな生活をしていることに耐えられなくなってきたのです。ついに彼は妻にこう言いました。「ねえ、君。故郷に、僕を本当の子どものようにかわいがってくれた乳母がいるんだが、身寄りもなく暮らしているんだ。この家に引き取ってもいいだろうか?」

心優しい妻は、二つ返事で承諾しました。が、彼は、実の母親を召使い待遇で、屋根裏部屋に住まわせました。すると、前よりももっともっと心が痛みました。ついに耐え切れなくなった彼は、すべてを妻に打ち明けました。そして、2人して屋根裏に駆け上がり、母に深くわびるとこう言いました。

「お母さん。この家はお母さんのものです!」

この日、この家に初めて、本当の平和と喜びが訪れました。

聖書は、私たちの体は聖霊の宮であると言っています。あなたの体は誰のものですか? あなたの心の王座を占めているのは誰ですか?

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