そのままの姿で

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(2011.4.3)

植物好きの王さまがいました。そして、王さまは宮殿に広大な植物園を作らせました。植物園ができあがったという知らせを受けた王さまは、さっそく足を運びます。しかし、植物たちの様子がどことなくおかしいのです。

王さまは、ぶどうの木に話しかけました。「いったいどうしたのだ。ずいぶん元気がないではないか。園丁たちはちゃんと世話をしてくれているのか」。するとぶどうの木は答えました。「はい。よく世話をしていただいています。しかし、自分のこのひょろひょろの姿を見ると、つい落ち込んでしまうのです。あそこの杉の木は、自分の力ですっくと立っていますが、私は支えに寄りかかって生きています」。

そこで王さまは杉の木のところに行くと、杉の木も落ち込んでいます。「私は背が高いばかりで、美しい花を咲かせることができません。あそこのバラの木のように」。

バラの木のところに行くと、バラの木も「私にはこんな醜いトゲトゲがあります。竹のようなすべすべの肌になりたい」。竹は竹で「私は中身が空っぽです」と嘆く始末。こんなふうに、誰も彼も他の植物を見ては、自分のことを卑下しているのでした。

激務に疲れた心を休めようと思った王さまは、ますます疲れがたまるようで、そそくさと植物園を後にしました。と、出口のところに、三色スミレが咲いていました。それはそれは美しく咲いている花たちの姿を見て、王さまの疲れた心はいっぺんに元気になりました。

「三色スミレや。どうしてお前たちだけはそんなにも優しく輝いているのだい?」と、王さまは尋ねました。三色スミレは答えました。「さて。私どもは、王さまから三色スミレであることを望まれて、ここに植えられました。ですから、一生懸命三色スミレとして花を咲かせていただいているだけでございます」。

神さまは、あなたがあなたであることを望んでおられます。自分の不十分さや罪深さを見ると、目を閉じたくなるでしょうか? 知ってください。それらはすべてイエス・キリストの十字架によって赦されています。あなたは、今そのままの姿で神さまの前に出て生きるよう望まれているのです。

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