スクールソーシャルワーカーだより

子育てのヒント10

この前、中学校の相談室を掃除してくれている子どもたちと、血液型の話になりました。

 

朝のワイドショーでも雑誌でも、必ず血液型占いのコーナーがありますね。特に日本人は、血液型占い(あるいは、血液型性格分類)が大好きです。今日は、そんな話から始めてみましょう。

血液型占いは当たる……のか?

人に合わせるA型、自己主張の強いB型、気が変わりやすいAB型、マイペースのO型……などと言われますが、本当にそうなんでしょうか。実は、血液型が性格に関係しているというのは、いろいろな科学的な調査では証明されていません。むしろ、否定する結果が出ています。

 

たとえば、こんな実験が行なわれました。一般に「B型の人の性格だ」と言われている特徴を書き連ねたリストを、B型の人ではなく、O型の人に見せます。そして、「O型の人は、こんな性格です」と言うと、ほとんどの人が「当たってる〜!」と答えました。A型の性格リストをAB型の人に見せても、「当たってる」と答えます。

 

つまり、血液型に関係なく、「あなたはこういう性格ですよ」と言われると、多くの人が「自分の中にそういう性質がある」と認めるということです。

 

さらに言うと、いろんな面で人に合わせてしまうと言われるA型の人でも(ちなみに、私はA型です)、自己主張はするし、気が変わることだってあるし、マイペースに行動するときもあります。A型の人はまじめだなんて言われるけれど、人が見ていないところでは結構手を抜いたりもします。

 

だから、A型の人に「あなたは、必要があればしっかりと自己主張できる強さを持っています」とか、「あなたには、実はぐうたらな面があります」とか言うと、「ああ、確かにそういうことがあるな。当たってる」と思うわけです。

 

そして、人はいったん「自分はこういう人間だ」と思い込むと、その思い込み(セルフイメージと言います)に合った行動を、無意識にとるようになります。すると、ますます「自分はこういう人間なんだ」という思い込みが強化されていって、「それにふさわしい行動」が癖になっていくのです。

 

性格というのは、行動パターン(行動の癖)につけたレッテルのことです。「あなたはこういう性格だ」という決めつけが、「私はこういう人間だ」というセルフイメージを形作り、それにふさわしい行動を無意識に選ぶうちに、それが癖になって「性格」になっていくわけです。本当は、もっといろんな性格上の可能性があるのに。

反対の性質を呼び出そう

本当はそういう持ち味があるのに、表に現れていない性質が、私たちの中にはたくさん眠っています。あなたにも、そしてあなたのお子さんにも。それを眠らせたまま放っておくのはもったいないですね。さっそく呼び出しましょう。

 

さあ、今、ご自分で「これは自分の短所だなあ」と思っていることを書き出してみてください。そして、その隣に、その短所の真逆の性格を書き出しましょう。たとえば、「優柔不断」という短所だったら、真逆は「決断力、行動力がある」でしょうか。「短気」なら「優しい」とか「穏やか」とかでしょうか。

 

書けましたか?

 

はい、それがあなたの性格です。

 

もう一度言います。それがあなたです。

 

嘘だと思われますか? いいえ、嘘ではありません。本当に、それはあなたの性格です。優柔不断だと言われる人にだって、決断力、行動力はあるはずです。短気な人だって、24時間怒っているわけではありません。穏やかに過ごしている時間の方が長いはずです。大嘘つきと呼ばれる人であっても、真実を語っていることの方が多いはずです。

 

お子さんの性格についても、同じようにやってみてください。ご主人や奥さまなどの性格についても。ひっくり返した裏の性質は、必ずその人の内側に存在しています。そして、その証拠を探してみてください。必ず見つかりますから。むしろ、そちらの方がメインの性格だと気づかれることでしょう。

 

今まで、自分や他人の短所だと思うような性質ばかりが目についてきたかもしれません。そうすると、イライラしたり、がっかりしたりすることになります。そして、相手の性格を直したくなって、相手を責めてしまったり、けんかになったりすることでしょう。

 

しかし、これからは、ご自分やお子さんの裏の性質にも、意識して注目するようにしましょう。そして「あなたはこんなすてきな人なんだよ」ということを教えてあげましょう。1回や2回では呼び出されません。繰り返し、繰り返し、呼び出してあげましょう。すると、きっと裏の性質が、隠れた持ち味が、どんどん行動として表に現われてくるようになります。

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