スクールソーシャルワーカーだより

男は火星人・女は金星人

「なんでそんなことするの?」「どうしてそんなことを言うの?」 お母さんにしてみれば特に息子さん、お父さんにしてみればお嬢さんというのは、時々理解に苦しむ対象かもしれません。いや、それどころか自分の夫、自分の妻も、その言動が理解できないことがあったりして……。

 

アメリカの心理学者J・グレイ博士は、「男は火星から、女は金星からやってきた」というキャッチフレーズで一世を風靡しました。男性(男の子)と女性(女の子)は、全く別の星から来た生き物だと考えた方がいい。そして、その違いを理解することから始めてみようというわけです。

 

今日は、私が考える男女の違いについてお話ししてみましょう。それが子育てや夫婦関係に役立ちますように。

火星人はウルトラマン志向

火星人(我ら男性・男の子)は、すぐに自信を失ってしまうグラスハートの持ち主です。だから、常にプライドを高く保ち、「自分はすごい」ということを誰かに認めてもらうことを切に求めています。

 

特に火星人を安心させるのは、自分が誰か(特に家族や好きな女の子や仲間)の役に立っているんだということを確認できたときです。すなわち、男性は、そして男の子は、みんなウルトラマンか仮面ライダー。いくつになっても、ヒーローにあこがれているのです。

 

精神的な余裕のないご主人が「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」という暴言を吐くことがありますが、これは自分が誰かの役に立っているという自信を失った反動です。また、家族を放ったらかしにして仕事に生きる男性もいますが、これも、仕事で業績を上げることで認められたい、あるいはそうやって稼いだお金で家族を養っているということで認められたいという心理でしょう。

 

これを読んでいる金星人(女性)の皆さん。あなたと同居している火星人たち(ご主人、息子さん、お父さん、お舅さん)が欲しい一言。それは「あなたのおかげ。ありがとう」という感謝の言葉です。

 

そして、火星人たちが嫌がるのは、プライドを傷つけられるような言動です。特に、逃げ道を作らないで追い詰めたりすると、逆ギレしたり逃げたりしますから、決して追い詰めないこと。

 

また、ちょっと弱虫の息子さんに対して「男のくせに」は禁句です。そういうことを言うのは、それによって「なにくそ」と発憤してもらいたいと思ってのことでしょうが、たいていの場合ますます自信を失って、かえっていわゆる男らしさが十分成長できなくなってしまい、逆効果です。

 

言うなら、「さすが、男の子!」です。探してでも、男らしい部分を認めて、自信をつけてあげましょう。

金星人はシンデレラ志向

一方、金星人(女性・女の子)はシンデレラです。女性は、誰かに尽くすことにかけては、男性と比較するとはるかに上手です。しかし、掃除・洗濯・他人のお世話にいそしみながら、その一方でシンデレラのように「お姫様のように扱われたい」とも思っています。白馬の騎士や臣下たちがお姫様をほめたたえ、自発的・一方的に奉仕してくれるように、自分もそう扱われたいと思っているのです。

 

ところが、世の男性たちの多くは、自分がプライド第一に生きていて、「頼まれないのに手伝うのは、相手を馬鹿にすることだ」と思い込んでいますから、違う星から来た人(女性)に対しても同じように接してしまいます。つまり、頼まれないことはしない。それどころか、女性が一方的にいろいろやってくれるのをいいことに、頼まれてもしなくなるかもしれません。そうなると、本当はお姫様扱いして欲しい女性は、どんどん不満をためていきます。

 

これを読んでいる火星人(男性)の皆さん。あなたと同居している金星人(奥さん、お嬢さん、お母さん、お姑さん)は、そんなそぶりは全く見せなくても、あなたの自発的・一方的な奉仕と賛美を求めているということを知ってください。そして、「きれいだね」「ステキな髪型だね」「かわいいなあ」「やさしいね」と常に言葉でほめたたえ、「大好きだよ」と言葉で伝え、性的な雰囲気のない場面でも抱きしめ、頼まれなくても自発的に家事の手伝いをし、言われなくてもお出かけを計画しましょう。美姫にかしずく騎士になるのです!

 

姫は姫扱いされることによって、ますますレディとして輝いていきます。歌手の倖田來未さんがこんなことを言っていました。「どうしてアイドルがどんどんかわいくなるかっていうとな、みんなにかわいいって言われ続けるからやねん」と。奥さんがいつまでも若々しくいられるのは、そしてお嬢さんがステキなレディに成長するのは、お父さん、あなたの賛美の一言にかかっています。

 

また、女性の方も、ご主人や息子さんが自発的に何もしてくれなくても、それで愛情が薄いのだなどと誤解し、責めたりしないでくださいね。責めるとプライドが傷ついて、逆効果です。そこで、火星のやり方にあなたの方が合わせて、言葉で「○○してくれる?」とお願いしてみてください。そして、してくれたら、めいっぱい感謝しましょう。

大切なことは

大切なことは、相手が大人であれ、子どもであれ、「なぜそうなの?」「なぜしてくれないの?」と相手を責めるのではなく、相手を理解し、「どうしたらこの異星人とうまくコミュニケートして友好を保てるかな」と考え、実践することです。

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