スクールソーシャルワーカーだより

目標の立て方 その2

前回、「目標の緊急度と重要度」についてお話ししました。今回も、目標の立て方についてお話しします。

良い目標とは

目標にも良し悪しがあります。

 

達成できた目標は、良い目標です。目標があまりにも低すぎたせいかもしれませんが、その場合には、次に目標の難易度を引き上げればいいのです。

 

達成できなかった目標も、良い目標です。ただし、どうして達成できなかったのか、その理由をしっかりと見つけ出すことができ、次にそれを踏まえて目標や手段の見直しができれば、です。失敗自体は失敗ではありません。本当の失敗は、嘆くばかりで、その失敗を通して何も学ばないことです。

 

自分の目標が、ちょうどいいものだったのか、それとも易しすぎたのか、難しすぎたのか、そして次にどのような目標を立てたらいいのか、具体的にどこをどう修正していけば次は達成できるのか…それらを知るためには、目標が達成できたかどうか、達成できたとしたらどれくらい達成できたかを、後で明確に評価できなければなりません。

 

「明確に」とは、評価する人が変わっても評価自体は変わらない、という意味です。そして、評価する人のそのときの気分で「いい」とか「悪い」とか言うのではなく、はっきりと「こうだから達成できた」「こうだから達成できていない」と、理由を添えることができるということです。

行動目標

そのような明確な評価基準が含まれた目標とは、第一に「行動の目標」だということです。

 

目標には、「態度目標」と「行動目標」があります。

 

態度目標とは、たとえば「友だちに優しくする」「算数をがんばる」のように、心構えを目標にしたものです。態度目標は、特にしつけや教育においてはとても大切なものですが、「優しい」かどうか「がんばっている」かどうかという評価は、評価する人によって、あるいは気分によって変わる可能性が高いですから、明確とは言えません。

 

そこで、態度目標を立てたら、さらに進んで、行動目標を立てる必要があります。

 

行動目標では、

  • 友だちに優しくするとは、具体的にどうすることなのだろうか
  • 何ができるようになれば、算数をがんばったと言えるのだろうか

というようなことを問題にします。そして、

  • 欲しいおもちゃは黙って取り上げないで、まず『貸してね』と尋ねる
  • 二桁と二桁のかけ算の問題が9割以上解ける

のように、「〜する」「〜できる」のような行動の形で表現します。これなら達成できたかできないか、明確に評価できますね。

数値目標

また、明確な目標には、数値、すなわち期限や数量が明示されていることが多いです。

 

たとえば医者にダイエットを勧められたとします。それに対して「減量する」では、明確な目標とは言えません。何キロ体重を落とすのか(あるいは何センチ腹囲を落とすのか、体脂肪率を何%にするのか)を設定しなければなりません。

 

そして、いつまでにという期限を区切ることも大切です。同じ5キロ落とすのでも、1ヶ月で達成するのと、1年かけるのとでは、ダイエットの方法が変わってきます。

 

繰り返しになりますが、達成できたかどうか、できたとしたらどれだけ達成できたのかをはっきりと評価できなければ、良い目標とは言えません。成功しても失敗しても、そこから何も学ぶことができず、次につなげることができないからです。評価できない目標は、目標ではなく単なる希望に過ぎません。

 

評価できるためには、行動目標、そして数値目標であることが大切です。皆さんの今の目標は、行動目標・数値目標になっていますか?

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