スクールソーシャルワーカーだより

5月6月に続いて、目標の立て方についてお話しします。

1センチずつ

一人暮らしをしているおばあさんがいらっしゃいます。部屋の模様替えをしたいというので、息子さん一家が手伝いにやってきました。家に入ると、タンスが部屋の端から反対側の端に移動していました。驚いた息子さんが、誰か手伝ってくれたのかと尋ねると、自分でやったと言います。ますます驚いて、「どうやってやったの?」と尋ねると、おばあさん、すまして答えました。「1センチずつだよ」。

 

マラソンランナーが、途中で苦しくなって「棄権」の文字が頭に浮かんできたとき、どうやって走り続けるかという話を聞いたことがあります。遠いゴールではなく、近くの電信柱とか、建物とかを目標にして、「とりあえず、あそこまでがんばって走ってみよう」と思うのだそうです。そこまで行ったら、次の目標物を決めて、「次は、あそこまで走ってみよう」と、これを繰り返して、最終的にゴールまで走り続けるのです。

 

大きな目標を掲げよう

皆さんは今、どんな目標を持っていらっしゃいますか? ダイエットでも、収入でも、資格取得でも何でも、ご自分の可能性を過小評価しないで、ぜひ大きな目標を立ててください。むしろ、人が聞いたら笑うような、そんな大きな目標を掲げましょう。それがあなたの人生を様々な面で豊かにしますし、そんなあなたの姿を見て、お子さんたちも向上心を抱くようになります。

 

ただし、最終目標が大きければ大きいほど、達成するのに時間も手間もかかるもの。途中で苦しくなってしまったり、飽きてしまったりして、やる気を持続するのが難しいですね。

 

そんなときには、あのおばあさんやマラソンランナーのように、目標を小分けにして、ほんのちょっとがんばれば達成できるような小さな目標を設定し、一つ一つクリアしていくようにするといいでしょう。最終目標は大きく。しかし、当面の目標は今すぐに達成可能なレベルに、ということです。

逆から考えてみよう

もちろん、当面の小さな目標を立てると言っても、最終的な大きな目標と関係無いものでは意味がありませんね。では、どうやって目標を小分けにしたらいいのでしょうか。コツとしては、「最終目標の方から、逆に考えていく」ということです。

 

まず最終ゴールを思い浮かべます。そして、「今このままの状態を続けて、これを達成できるだろうか」と自問します。無理なら(たいてい無理です)、無理な理由を挙げていきます。そして、その無理な理由をつぶすことを下位目標にします。それらの下位目標についても、同様に自問しながら、さらに下位の目標を立てて、最終的に「ちょっとがんばればできそうだ」というところまで落とし込んでいくわけです。

 

例を挙げます

高校卒業後、ずっとニートだったAさん(30歳女性)は、ある日一念発起して、保育士として働くという夢を持ちました。もちろん保育士の資格を持っていなければいけませんから、大学に入って資格を取るという下位目標を立てました。

 

ところが、ずっと社会から離れていたため、大勢の学生たちと一緒に一日中教室で勉強する自信がありませんし、入試に受かる自信もありませんでした。そこで、入試が面接と小論文だけの通信制の大学に入ることにしました。

 

ところが、自宅学習が中心ですから、やる気を維持できるかどうか自信がありません。そこで、定期的に自宅学習の状況をチェックして、必要に応じて叱咤してくれる人を探すという目標を立てました。

 

これは幸いすぐに見つかりました。そして、今年度大学生活2年目を迎えたAさんは、保育士の資格取得に向けて、今も着々と勉強を進めています。

 

あなたも

人が笑うような大きな目標を立ててください。そして、今すぐ実行可能なレベルにまで目標を小分けにして、一つ一つ順々に実行していきましょう。そうすれば、その先に大きな目標達成が待っています。

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