スクールソーシャルワーカーだより

無意識を味方に付けよう その3

スポーツの試合前や最中に、選手が手のひらを胸に当てながらぶつぶつ何かをつぶやいたり、コーチと顔を見合わせながら大声で何かを叫んだりしているシーンを見たことがありませんか?

 

あれは、自分に対して前向きな言葉を語りかけることで、自分の無意識の中に眠っている潜在力を引き出し、本番で良いパフォーマンスを上げようとしているのです。

 

こういう自分に対する前向きな語りかけは「アファメーション」と言い、スポーツだけでなく、勉強やビジネスや芸術や人間関係、さらには心身の病気の治療など、様々な場面で応用されています。今回は、アファメーションの作り方についてお話しします。

アファメーションとは

無意識は、イメージされたことと、現実に起こっていることの区別ができません。ですから、肯定的な行動パターンをイメージしていると、無意識がその実現を助ける方向に働き始めます(これを応用したのが、イメージトレーニングです)。

 

そして、私たちが繰り返し聞く言葉は、イメージを生み出したり、それを強化したりする力を持っています。そこで、肯定的なイメージを生み出すような言葉を、繰り返し自分自身に語りかけることによって、肯定的な行動パターンへと導こうというのが、アファメーションaffirmation)です。たとえば……

 

私は、ストレスに上手に対処していて、いつも元気です。
私は、残念なことが起こっても、前向きに対処して乗り越えられます。
私は、人と一緒にいるとき、オープンで気持ちのよい会話を楽しむことができます。
私は、まわりのみんなにとても理解されています。
私は、必要な目標をいつも立てることができ、そしてそれをやり抜く力があります。
私は、発表会の本番でも、リラックスして100%の実力を発揮できます。
私は、算数の計算問題が得意で、素早く正確に計算することができます。

 

なりたい自分、いつもそうありたい自分を先取りして、「自分は(すでに)○○です」という形で宣言するわけです。皆さんも、ご自分のアファメーションの宣言文を作ってみてください。

アファメーションの文章作りのコツ

(1) 現在形で表現する

「〜したい」とか「〜しよう」とかいう未来形よりも、「〜している」「〜しつつある」という現在形・現在進行形で表現するといいでしょう。というのは、無意識は、過去も未来も「現在起こっている出来事」としてしか理解できないからです(そこで、何十年も前に起こった出来事がトラウマになって、現在も苦しむ人がいるわけです)。

 

「これから〜する」「〜したい」「目指せ〜」というアファメーションの文章にしてしまうと、「現在はその目標は達成されていない」という否定的なイメージを育て、かえって「その目標が達成しない」方向に無意識を働かせることになります。そして、やる気や根気や知恵をそいでしまい、結果として目標達成が難しくなってしまいます。

 

ですから、「私は○○です」と、すでに達成されたものとして言い切りましょう。

 

(2) 私を主語にする

主語は「私は」にします。

 

あるいは自分の名前を呼んで、「○○さん。あなたは」というふうに、自分に呼びかけます。

 

(3) 肯定的表現をする

できるだけ、否定的表現(〜しない)ではなく、肯定的表現(〜する。〜できる)にします。

 

無意識は否定的表現を理解しにくいので、たとえば「私は遅刻しない」というアファメーションだと、「遅刻」という言葉だけがクローズアップされて、かえって遅刻する方向に無意識が働いてしまうかもしれません。ですから、この場合は「私は、時間通りに行動できます」というふうにします。

 

(4) 唱えやすい長さや表現にする

アファメーションの言葉は、一日に何度も唱える方が効果的です。憶えやすいよう、短い言葉で表現しましょう。

 

そして、実践しながら修正を加え、より自分にぴったりの表現にしていきましょう。

 

また、他の人、特に子どもたちに繰り返しかける言葉も、否定的な自己イメージを植え付けるような語りかけではなく、肯定的な自己イメージを生み出すアファメーションになるといいですね。

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