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ショートエッセイ:中通りコミュニティ・チャーチ

灯台守の善意

(2026年1月11日)

前回に引き続き、灯台守のお話です。時は19世紀。まだ電気で灯台の明かりを作ることができない時代ですので、灯台では一晩中火を焚いて沖合の船に危険箇所があることを知らせていました。この仕事のため、国は灯台守に毎月1カ月分の油を供給しています。

ある日、近所に住む女性が灯台を訪ねてきました。「子どもが病気で、看病のために夜通し明かりを付けておきたいのです。どうか、少し油を分けてもらえませんか?」 心優しい灯台守は、快く油を分けてやりました。

別の日、貧しい旅人が訪ねてきて、「明かりがないと道に迷ってしまう」と言って、油を分けてくれるよう願いました。心優しい灯台守は、快く分けてやりました。

さらに別の日は、夜遅くまで仕事をしなければならないという職人が油を求めてきましたが、灯台守はこの人にも油を分けてやりました。こうして、困っている人に油を少しずつ分けてやっていたところ、月末近くになってとうとう油が足りなくなってしまいました。

灯台守がしたことは、愛情深い行いであり「良いこと」です。しかし、それは灯台守の最優先事項ではありませんでした。彼が最優先にすべきは、油ぎれにならないよう気をつけ、夜中に灯台の火を消さないことです。

灯台守が最優先事項ををないがしろにしたため、 灯台に火がともりませんでした。その結果、航路を見失った船が座礁してしまい、多くの命が失われてしまったのです。

私たちの人生においても、たくさんの「良いこと」があります。仕事、家事、人間関係の付き合いなど、やるべきことに追われがちです。しかし、あれもこれもと手を広げているうちに、一番大切な「心の平安」や「神さまとの対話の時間」という油が切れてしまってはいないでしょうか。

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